仕事・運動をしていると溜まる疲労。疲労が溜まると体がだるくなり、動くことも嫌になりますよね。そんな疲労はどうして溜まるのか、どうやったら軽減できるのか、疲労に対して予防方法を知っていれば、日常の生活も有意義に生活できるはずです。
この記事を最後まで読むことで疲労の原因、疲労の予防方法についてがわかり、日常の生活が変わるはずです。
疲労とは?
疲労とは体がだるい、頭がぼーっとするといった体の異常を指します。そういった異常は体からの危険信号であり、異常を感じたら対処していく必要があります。疲労の対処方法を知ることで疲労による異常を抑えることができるため、疲労に対しての知識をつけることが大事となります。
疲労の定義
では疲労とはどういったものなのか具体的に考えていきましょう。疲労の定義として日本疲労学会がこう定めています。
「疲労とは過度の肉体的および精神的活動、または疾病によって生じた独特の不快感と休養の願望を伴う身体の活動能力の減退状態である」
運動や仕事などのデスクワークにより肉体的、精神的な不快感が蓄積していくことで、運動能力や思考力を鈍らせてしまうということです。蓄積が過度になると病気に発展する可能性もあるため注意が必要です。
乳酸=疲労物質?
以前は全力で走ったりすると乳酸が溜まるなんて、運動部の方々は言っていたのではないでしょうか?最近では乳酸は疲労の原因ではないとされています。
「乳酸は疲労物質」という考え方がされていましたが、現在では乳酸が疲労を起こす物質であるという考えは間違いであるとされています。疲労した筋肉では乳酸の濃度が高くなり、筋肉のパフォーマンス低下がみられるけれども、乳酸がパフォーマンスの低下をもたらすのではないとされています2)3)。
最新の研究では、高負荷の運動時に、糖質がエネルギーとして使われる際に乳酸が産生され、筋肉の細胞のエネルギー源として再利用されることがわかっています。運動中の脳内でも神経細胞のエネルギー源として乳酸が働くことも確認されています2)。
公益財団法人 健康長寿ネットより引用
さらに心臓の筋肉である心筋は乳酸をエネルギーとして使用されます。そのため乳酸は近年疲労物質ではないとされてきています。
疲労因子FF
乳酸が疲労物質ではないとなると、では疲労の原因は何になるのでしょうか?それは疲労因子FF(Fatigue Factor)が悪さをしているといわれています。FFは運動や仕事によるオーバーワークを行うことで大量の酸素が消費され、それに伴い生まれる活性化酵素がミトコンドリア(エネルギーを作る細胞)などを阻害していきます。
ミトコンドリアを阻害することで、細胞の機能を低下させ疲労感として体に異常を出します。
疲労因子FFが溜まる要因
〇運動
〇デスクワーク
〇過度な睡眠
〇過度な入浴
といったのが代表的な要因になります。
いつもより長く寝て体にだるさを感じた経験はありませんか?適度な睡眠は体の疲労を分解しますが、過度な睡眠は返って疲労を溜める原因になります。個人差はあるかとは思いますが、大体ベストな睡眠時間は8時間といわれています。それ以上の睡眠はFFが溜まり、身体のだるさの原因にもなります。
入浴も適度であれば疲労の軽減になりますが、のぼせるくらいまで我慢して入ると体を冷やすことにエネルギーを使うため、体が疲弊するので疲労が溜まります。何事も適度に行うことが疲労回復に繋がります。
3つの疲労の種類
疲労には3種類の疲労があり、それぞれ疲労の感じ方が変わってきます。
肉体的疲労
運動を行うことで起こる筋肉的な疲労が主として挙げられます。筋肉の張り、だるさといった症状が出てきます。長時間の同じ姿勢による疲れもこれにあたります。
精神的疲労
考え事や悩みがあったりするとストレスとなり、ストレスによって疲労が出現します。ストレスは肩・首などの筋肉の緊張にも繋がるため、頭痛の原因にもなります。
神経的疲労
人には視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚といった五感が備わっています。この感覚は様々な情報を脳に伝え、行動に移す大事なメカニズムです。ただし、感覚はシナプスという経路で感覚を脳に伝えるのですが、この経路は疲労しやすいという特徴があります。
例えばデスクワークなどで目が疲れるのはこういうメカニズムがあるためです。脳の疲労になるため、頭がぼーっとしたりといった症状がでます。
疲労が体に起こすこと
疲労は溜まると様々な症状が起こってきます。具体的な症状を下記にまとめました。
- 頭痛
- 集中できない
- 体がだるい
- 瞬発的な動きが遅くなる
- 眠気が生じる
- 食欲不振
- 肩・首が凝る
- 肌荒れ
といった症状がでます。
疲労を溜めないために
疲労が溜まると様々な症状が出現することを説明しました。では今度は疲労を溜めこまない・疲労を分解する方法をまとめていきます。
イミダゾールペプチド(イミダペプチド)
食べ物の中には疲労を分解してくれる成分があります。その成分の名前はイミダゾールペプチドという成分です。この物質はどんな食べ物に多く含まれるかというと以下の食品に多く含まれています。
〇鳥の胸肉
〇マグロの尾びれ
などに特に多く含まれています。
特にこのイミダゾールペプチドはビタミンCと併用して摂取することで吸収率が上がり、より疲労を分解しやすくなります。
ちなみにクエン酸をとると疲労が取れるといわれていますが、クエン酸をとると疲労が取れるというより、クエン酸をとることでエネルギーを生み出すことを助けるため、疲労しづらくなるということです。イミダゾールペプチド、クエン酸を積極的に摂取して疲労を残さないようにすることが大事となってきます。
睡眠
睡眠をとることは疲労回復には効果的です。睡眠をとることで、寝ている最中に分泌される成長ホルモンが疲労回復に関わってきます。ただし、前述でも書いたように過度な睡眠は返って逆効果になるため注意が必要になります。
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睡眠の役割 仮眠の大切さ 寝つきをよくするには?
軽度な運動
軽度な運動を行うことでセロトニンの分泌を促します。セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、セロトニンが分泌されることで精神的な疲労の緩和に繋がってきます。
カフェインの効果
補足ですが、カフェインの作用には脳の覚醒というものがあります。簡単に言うとカフェインをとることで脳への疲労という信号をシャットダウンして、疲労を感じずらくすることができ、その結果目が覚めたり、集中力が増したりという効果を期待できます。
しかしカフェインには『慣れ』というものが存在します。摂取し続ければ、効果が減少していくということです。カフェインに限らずですが、サプリメントなどは大体『慣れ』による効果の減少が存在します。
そのため効果が感じづらくなってきたら、一度接種することをやめ、日数を置いてから接種するとまた効果を期待できるようになります。
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まとめ
〇疲労は溜まると様々な症状が出現します。
〇疲労が溜まる主な原因は運動、デスクワーク、過度な睡眠、過度な入浴などがあります。
〇疲労物質を分解するにはイミダゾールペプチドを多く含む食品を摂取したり、睡眠をとったり、軽度な運動が効果的です。
〇クエン酸は疲労を分解するのではなく、エネルギーを生み出すためのもののため、結果疲労を軽減させる効果が期待できます。
〇疲労がどうしても辛い時の最終手段はカフェインを摂取することでも効果が期待できる。※ただしカフェインはとりすぎると異常をきたすため注意が必要となります。
疲労が溜まっているときは無理をせず、休息をとることは大事です。適度な休息をとることを心がけましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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